BLOG

無気音と有気音はキスして学べ!?

 中国語を学習する中で、どこかで聞いたような単語、「無気音」と「有気音」……、でも、なんだっけ?答えられなくてバツが悪いと思っているあなた、大丈夫!なんたって中国人自身が分かってないので。だから、世の中には分かりにくい解説がてんこ盛り!
 それで、勝手に難しいと思い込んでいませんか?今回はその原理を解き明かして行きましょう!

●そもそも子音ってなんだ?

 無気音や有気音なんて名前を聞くと仰々しいですが、実はこれ、子音を分類する際の最初の二大区分で、全ての子音は、必ずこのどちらかに属しているのです。例えば、犬にはオスとメスの二種類がある、と聞いてもびっくりしませんよね。それと同じなのです。
 でも、そもそも子音ってなに?っていう人、多いですよね。子音を一言で言うと、それは「摩擦音」です。声帯が振動して発声されるのが母音であるのに対して、子音は喉や口腔のどこかで起こる摩擦で出される音。例えば、舌打ちをした時に音が出ますよね。或いは、勢い良くキスをした時の「チュッ」という音もお馴染み。
 これらは全て摩擦によって音が出ているので、原理的には、言語における子音の構造と同じです。もしかしたら、キスの音を子音として扱っている言語が、世界のどこかにはあるのかも知れませんね。

●子音は物と物を擦って出す音じゃない

 このように、子音は確かに摩擦音なのですが、かといって、黒板を爪で引っ掻くような直接的な摩擦で、人間の口から音を出すことは、非常に困難です。試しに、口の中の色々な部位を擦ってみて下さい。まともに出せるのはせいぜい歯と歯の擦れる音ぐらいです。これを言語の子音として使うのは、かなりキツイですよね。
 そこで、言葉に使える子音には一つの条件が付きます。それは「気流を使って摩擦している」ということです。分かりやすいのはパ(pa)の子音である「p」の音です。唇と唇の間を息が勢い良く通るときに出る音ですが、この時に、上下の唇の間の狭い隙間を息で擦ることで摩擦音が出て、私たちはこの音を「p」と認識するのです。

(https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_10755955?ivk_sa=1024320uより引用)

●無気音と有気音では擦る気流が違う

 気流が隙間を擦ることで摩擦音(=子音)が出ますが、この気流には大きく分けて二種類あります。「弱い気流」と「強い気流」です。あっ、なんか分かった!弱い気流が「無気音」であり、強い気流が「有気音」だね?って思われた方、有気音は確かにその通りです。強い気流ではっきりと聞こえるため、構造も単純です。
 でも、弱い気流はとても聞こえにくく、微調整も難しいため、便利に使うには何か工夫が必要で、それが「声」です。声を出す時、肺からの気流は声帯でかなり弱められます。この「声となって弱められた気流」が摩擦して出す音、それこそが「無気音」なのです。「無気」という名前のため、気流がないと思われがちですが、実は弱い気流があって、それが「無気音」を出すのにちょうどいい具合なのですね。
 つまり、無気音を出すためには、まず声(=母音)を出して、その声が適当な部位で摩擦するというプロセスになります。こうして、有気音=息で、無気音=声での摩擦音、と考えてみると、子音のシステムも分かりやすいですね。摩擦の部位を変えると、子音も変わってくるのです。

(https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_10755955?ivk_sa=1024320uより引用)

関連記事

カテゴリー

ページ上部へ戻る