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普通話の普通は普通じゃない!

皆様こんにちは!

中国語で標準語のことを「普通話」と言いますよね。

なぜ「普通」?「標準」なら分かるけど、「普通」ってどゆこと?

じゃあ、方言は「普通じゃない=ヘン」ってことかな?

そんなハテナをお持ちになった方も多いかも知れませんね。

実は、ここには私たちが普通に使う「普通」ではない意味があるのです。

● 英語で「マンダリン」と呼ばれるわけ

そもそも中国語の「標準語」はどんな歴史をたどってきたのでしょうか?

英語では特に中国標準語を指して「Mandarin」と呼びます。直訳すれば「役人、官吏、官僚」のような意味ですが、ここでは「官話」(=官製の言葉)という意味で使われます。

実はこの言い方の方が「標準語」よりも意味が的確です。西洋が本格的に中国を意識し始めたのは大航海時代の後で、多くの宣教師たちが中国各地に派遣されていきました。そこで彼らは多くの方言が相互に通じないことに悩まされました。

しかし、やがて、どこの役人も同じ言葉を使うことに気付き、この言葉を「Mandarin」と名付けたわけです。
● 中華民国で成立した標準語「国語」

さて、時代は下って、栄華を誇った中国最後の王朝、大清帝国もついに滅亡の時を迎えます。

映画「ラストエンペラー」で有名なあの時代ですね。

この前後に起こったのが「白話運動」と呼ばれるような中国のどこでも通じる話し言葉を作ろう、という動きでした。

実のところ、役人たちが使っていた「Mandarin」は、宮廷で皇帝と話すための「宮廷用語」という側面が強く、一般庶民からはかけ離れた存在だったようです。

そこで、庶民が使うのに相応しい「標準語」が求められたのです。こうして、中華民国で「国語」と呼ばれる標準語が誕生します。

台湾では今も「国語=標準語」の意味で使われています。

● 普く通じる話し言葉「普通話」の誕生

その後、中華民国に代わって成立した現在の新中国では、「標準語」は受け継いだのですが、「国語」という名称は廃止しました。

理由は不明確ですが、要は旧政権と同じ名称が嫌だったのでしょう。そこで、「国語」に代わる名称として「普通話」が考案されたのです。

では、なぜ「標準語」と呼ばなかったのでしょうか?

「標準語」という単語は中国語でもそのまま通用するのですが、恐らく、敢えて「標準」を避けたのではないかと考えられます。

これだけ多様な言語が存在する社会で「標準」を定めてしまうと、「標準じゃない」とされた人々から反発を招く恐れがあるからです。

その観点からすると「普通話」は便利な解釈ができました。「普通」は「一般的な」の他に、「普(あまね)く通じる」とも解釈できます。

つまり「標準の言葉」ではなく「どこでも普遍的に通じる言葉」なのですね。

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