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繁体字と簡体字のトリビア!

 台湾の漢字と中国大陸の漢字はちょっと違いますよね。「台湾は繁体字で、大陸は簡体字」と大雑把には知っているけど、この二つはそもそもどんな関係なのか?
 そんな疑問を持ったことのある方も多いですよね。
 実は日本も結構多くの「簡体字」を使っているのですよ。今回はちょっとかじってみたい漢字のトリビアです!

● 「中国大陸で漢字が略された」というほど単純じゃない

 中国語を習い始めた頃、あれれっ、この漢字はなんだ?と、驚きや戸惑いを感じた方も多いはずです。そこで「中国語=簡体字」と考えている人も多いですが、ことはそんなに単純ではないのですね。確かに中国では漢字の簡略化を政策的に進めたため、多くの漢字が簡略化され、いわゆる「簡体字」になりました。
 しかし、実は日本でも「新字体」という呼び方で、戦後は同じように漢字の簡略化が進められました。現代日本語で使われる「国」は、戦前は「國」と書かれていて、これを日本では「旧字体」、大陸では「繁体字」と呼んでいます。
 では、日本の新字体と大陸の簡体字は同じなのでしょうか?

● 日本は独自に漢字を簡略化した

 中国が最も多くの漢字を簡略化したのは事実ですが、実は日本でも意外に多くの漢字が簡略化されたのです。例えば「體育」と書かれても読める人は多くないでしょう。でも「体育」と書けば皆さん分かりますよね。
 同じような例は「學生⇔学生」「音聲⇔音声」など、結構たくさんの「新字体=簡体字」を見つけることできます。
 しかし、全体的にみると、日本は独自に簡略化したことが分かります。例えば新字体の「沢」は、簡体字では「泽」となります。元々の繁体字(旧字体)だと「澤」になります。そういえば「沢村」さんと「澤村」さん両方いらっしゃいますが、元々は同じ漢字だったわけですね。同じような例は「廣⇔広⇔广」などでも見ることができます。

● 簡略化の目的は同じ「使いやすくするため」

 このように日本と中国での簡略化の過程は少し異なりますが、その目的は同じで、煩雑な漢字を使いやすくするためです。特に「漢字だらけの国」中国では、識字率を高めることが国家の発展にとって最重要課題の一つと捉えられました。そんな背景で、中国では多くの漢字が簡略化されたのです。
 では、日本でそこまで簡略化されなかったのはなぜか?皆さんお分かりですよね。日本には既に仮名文字があったからです。しかも、千年も前に漢字を徹底的に簡略化したという事実は、正に驚嘆すべき改革だったということですね。
 台湾では政治的な理由でまだ繁体字が広く使われていますが、東南アジアなど世界の華人社会では簡体字が主流となっています。
 中国語が今よりもっと国際化していく中では、今後もより使いやすい漢字が求められていくことになるでしょう。

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